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上棟に謎の暗号

上棟に謎の暗号

千葉県富津市で建築している木の家の上棟式がありました。

 

木の家(木造住宅)での上棟とは、基礎の上に柱や梁などを組んで、屋根の一番上の部材となる棟木(むなぎ)を取り付けるまでの工事のことをいいます。

 

 

上棟で使う木材は、プレカット工場であらかじめ加工されたものが運ばれてきます。

プレカットは機械で行われるので、職人さんが現場で加工することに比べ、工期が短縮され、職人さんの技術による加工精度のばらつきがないというメリットがあります。

 

 

プレカット工場で加工され運ばれてきた木材は、クレーン車で吊り上げ、組み上げるべき場所に置かれると、待っていた職人さんたちが人力で組み上げてゆきます。

 

戸建て住宅の場合、上棟には約10人の職人さんたちが参加します。

職人さんたちがチームワーク良く仕事する姿は、見ていて飽きないものです。

上棟に使われる木材を見ると、それぞれ「い8」「は1」といった記号が書かれています。

この記号は『番付』といって柱を立てる位置を表した記号です。

 

 

最初の平仮名は「いろは歌」の順番です。

いろは歌(作者不明)は、日本語のアルファベットというべきものです。

 

<いろは歌(詳しくはお調べください)>

「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす」

「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず」

 

 

この番付は、図面の右上を『いの一番』とし、そこから東西方向に「いろは…」、南北方向に「123…」と番号を付けていくのが一般的なようです。

 

ただし、どこを『いの一番』にするかは、地域によって番号の付け方が違うようです。

左下を『いの一番』とする地域もあるようで、全国で統一されていないようです。

 

また、いろは歌を使わずにアルファベットを使う場合もあるそうです。

 

 

個人的には…、

木の家は日本の伝統的な工法である軸組み工法で建てるのが基本と思いますから、いろは歌を基本とした番号の付け方がしっくりくると思います。

また、図面の右上は、通常鬼門(北東)に当りますから、縁起も兼ねて右上を『いの一番』にした方が良いのではないかと思っています。

 

 

上棟式では、数百本の無垢材が使われ、上棟式にしか来ない職人さんも多くいます。

上棟に使う木材に番付をつけることは、効率よく間違いない仕事をしてもらうために生まれた職人さんたちの知恵なのです。